保定(後戻り防止)について
岡山市のうえき歯科・矯正歯科です。
今回は矯正治療における保定(後戻り防止)についてお話ししたいと思います。
保定とは
矯正治療によって移動させた歯や顎をその位置と状態で長期間保持し、安定させる処置のことを保定といいます。
矯正治療では顎骨や歯周組織が形を変えることで歯が移動していきます。
この変化に周囲の組織が適応するためには一定の期間が必要であり、矯正歯科治療で動かした歯はまた元の位置に戻ろうとします。
この「後戻り」を防止することは、動的治療にもまして重要といえます。
保定装置(リテーナー)の種類
保定装置には、歯に直接固定する固定式保定装置と、患者さんが取り外しできる可撤式保定装置があります。
固定式保定装置は、細いワイヤーを歯の裏に接着させるものです。常に歯に作用し、後戻りを防ぐのにとても有効です。
可撤式保定装置は、夜間のみ使用する取り外し式の装置です。前歯と臼歯の咬合関係や、歯列の横幅などを維持するのに役立ちます。
当院では固定式・可撤式を併用していただくことによって後戻りを防いでいます。
保定中の処置と保定期間
保定中は年に数回(3~6か月に1回程度)来院していただき、歯列・咬合に変化が無いかを確認し、ワイヤーの脱離の有無、リテーナーの適合などをチェックします。
保定期間については、何年すればもう大丈夫 と一律に言うのは困難です。
不正咬合の原因や種類、歯並びの程度、歯を動かした期間、治療方法、治療終了時の状態などに加えて、咬合が安定するための重要な条件である支持組織の状態に個人差があるためです。
様々な考えがありますが、当院では5年経過すれば安定したとみなして固定式保定装置を終了し、あとは可撤式保定装置を時々装着してもらうということが多いです。
動かした位置に永久的に安定させることは保証できないという考えからすると、保定装置を外したら治療終了ではなく、自然保定の開始という姿勢で長期間管理することが必要であると思われます。
保定についてお話ししました。