矯正用アンカースクリューについて
岡山市のうえき矯正歯科です。
今回は矯正用アンカースクリューについてご紹介します。
矯正歯科治療において、歯を移動させるためには固定源が必要です。
例えば犬歯を後方に移動したいとき、臼歯を固定源として犬歯と臼歯にエラスティックチェーンをかけると、犬歯は後方に移動します。しかしその反作用で臼歯も前方に移動します。
もしも移動を行いたくない歯が移動歯の固定源になった場合には、作用・反作用の法則によって望まない歯の移動が生じることとなり、これを固定の消失(アンカレッジロス)といいます。
矯正用アンカースクリューを顎骨に植立することで、固定の消失を防ぐことができます。
移動歯だけでなく、移動させたくない歯をどのようにコントロールし、望まない歯の移動を起こさせないようにするかが、効率的・効果的な治療を行い治療結果を向上させるために重要となります。
アンカースクリューの変遷
1990年代中頃までは、顎矯正手術時に一時的に埋入するブレードタイプのインプラントや、永久補綴のために埋入されたデンタルインプラントを矯正治療時の固定源として使用するといった報告が大半でした。
1997年、チタン製スクリュータイプインプラントを固定源とした症例が報告され、そのなかで患者さんの侵襲が少ない、スクリューの大きさによる植立部位の制約を受けない、簡単に除去できるなどの多くの利点をもち、矯正歯科治療に有用であることが示されました。
それ以降、国内外で多くの臨床研究論文が示され、従来のメカニクスでは困難であった大臼歯の圧下や遠心移動などが、スクリュータイプインプラントの使用により患者さんの協力度に左右されることなく行えることが報告されています。
日本では2012年に「歯科矯正用アンカースクリュー」として薬事承認され、日本矯正歯科学会より「歯科矯正用アンカースクリューガイドライン」が発行されました。
今後はガイドラインの指針に則って安全かつ適正に運用し、患者さんに対してもアンカースクリューを使用した矯正歯科治療の利点・注意点について十分な情報提供を行う必要があります。
以上、歯科矯正用アンカースクリューについてご紹介しました。
(参考文献『歯科矯正用アンカースクリュー この症例にこの方法』)
今回は矯正用アンカースクリューについてご紹介します。
矯正歯科治療において、歯を移動させるためには固定源が必要です。
例えば犬歯を後方に移動したいとき、臼歯を固定源として犬歯と臼歯にエラスティックチェーンをかけると、犬歯は後方に移動します。しかしその反作用で臼歯も前方に移動します。
もしも移動を行いたくない歯が移動歯の固定源になった場合には、作用・反作用の法則によって望まない歯の移動が生じることとなり、これを固定の消失(アンカレッジロス)といいます。
矯正用アンカースクリューを顎骨に植立することで、固定の消失を防ぐことができます。
移動歯だけでなく、移動させたくない歯をどのようにコントロールし、望まない歯の移動を起こさせないようにするかが、効率的・効果的な治療を行い治療結果を向上させるために重要となります。
アンカースクリューの変遷
1990年代中頃までは、顎矯正手術時に一時的に埋入するブレードタイプのインプラントや、永久補綴のために埋入されたデンタルインプラントを矯正治療時の固定源として使用するといった報告が大半でした。
1997年、チタン製スクリュータイプインプラントを固定源とした症例が報告され、そのなかで患者さんの侵襲が少ない、スクリューの大きさによる植立部位の制約を受けない、簡単に除去できるなどの多くの利点をもち、矯正歯科治療に有用であることが示されました。
それ以降、国内外で多くの臨床研究論文が示され、従来のメカニクスでは困難であった大臼歯の圧下や遠心移動などが、スクリュータイプインプラントの使用により患者さんの協力度に左右されることなく行えることが報告されています。
日本では2012年に「歯科矯正用アンカースクリュー」として薬事承認され、日本矯正歯科学会より「歯科矯正用アンカースクリューガイドライン」が発行されました。
今後はガイドラインの指針に則って安全かつ適正に運用し、患者さんに対してもアンカースクリューを使用した矯正歯科治療の利点・注意点について十分な情報提供を行う必要があります。
以上、歯科矯正用アンカースクリューについてご紹介しました。
(参考文献『歯科矯正用アンカースクリュー この症例にこの方法』)