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矯正歯科2023/10/07

パラタルアーチ

パラタルアーチ

 岡山市のうえき矯正歯科です。
今回は矯正治療で用いるパラタルアーチについてご紹介します。

パラタルアーチは混合歯列期にも成人矯正にも使用される、固定式の装置です。
左右の上顎大臼歯にバンドを被せ、アーチ状に曲げたワイヤーで口蓋部に橋渡しをするという、非常にシンプルな装置です。
パラタルとは、口蓋(部)の という意味で、患者さんごとの口蓋部の形に合わせて作成します。

パラタルアーチの役割
パラタルアーチの役割には ①遠心回転 ②拡大 ③トルク調整 ④固定源 などがあります。
うえき矯正歯科 岡山市の矯正歯科
①遠心回転 
大臼歯を奥の方向(遠心方向)に回転させます。スペースを確保でき、歯列がV字型になるのを防いでかみ合わせを安定させることができます。
②拡大 
大臼歯間の幅径が狭いときには拡大します。成人矯正でも数mmの効果が期待できる場合があります(上顎における大臼歯の位置に依ります)。
③トルク調整 
大臼歯の頬舌方向の角度を調整します。表につけるアーチワイヤーでも可能ではありますが、パラタルアーチのほうがより確実に調整できます。
④固定源 
成人矯正で小臼歯を抜歯する場合では、大臼歯が手前に動いてしまうことがあるため、左右の大臼歯をパラタルアーチで加強固定することによってこれを防ぎます。
⑤大臼歯の圧下
舌圧あるいはアンカースクリューを利用して上顎大臼歯を圧下します。前歯の咬合が浅い場合などに行います。

このように、パラタルアーチは多くの役割を持っており、正確な大臼歯のかみ合わせを作るために非常に有効な装置です。使用するかどうかは歯列の状態を分析して決定します。

パラタルアーチについてご紹介しました。
当院の治療例でも多くの方に使用しておりますので、是非ご覧ください。
矯正治療例一覧
パラタルアーチのトラブルと対処法